大使挨拶

令和2年12月7日
岡田大使

御挨拶
 
 この度、アフガニスタン・イスラム共和国駐箚特命全権大使として着任し、12月6日にガーニ大統領への信任状捧呈を終えました。

 2008年ごろ、私は日本の対アフガニスタン支援に関わっており、カブールに出張する機会がありました。用務先への移動中に、何十名もの女子学生たちがにこやかに談笑しながら校門を出てくる光景を防弾車の窓越しに目にして、取り戻した自由と平和を守るためのアフガニスタンの人々の努力を支えていきたいと強く思いました。それからというものアフガニスタンは常に私の心のどこかにありました。今回、日本国大使としてアフガニスタンに赴任できたことをとても嬉しく思っています。

 米軍とNATO軍が撤退に向けた縮小を進める中で、アフガニスタン和平交渉が始まっています。アフガニスタンが永続的な平和を構築することができるかが問われる重要な局面に差し掛かっています。11月に開催されたアフガニスタンに関するジュネーブ会合において、国際社会は、過去19年に達成された成果を踏まえた平和で民主的なアフガニスタンを和平プロセスを通じて築きたいというアフガニスタン国民の意思を支持し、支援の継続を約束しました。日本は、2001年以降、2度の対アフガニスタン支援会合の開催や、68億ドルの支援を含めてアフガニスタンの復興に積極的に貢献してきましたが、今回のジュネーブ会合でも、2024年までの4年間について過去4年と同水準の支援(年間1.8億ドル規模)を約束しました。日本は、農業・農村開発、教育、保健、インフラ、人材の育成、さらに治安といった分野での支援を継続していきます。日本はアフガン人によるアフガン人主導の和平プロセスを支援し、その進展によって追加的な支援を検討する所存です。

 中村医師、緒方貞子元国連難民高等弁務官のようにアフガニスタンの人々のことを考え続けた日本人が数多く存在することが示すように、アフガニスタンは日本人の心の中に特別の場所を占めているように思えます。アフガニスタンがその将来にとって大切な時期を迎えているこの時に、その平和と繁栄のために、そして、日本とアフガニスタンの関係強化のために、私も精一杯働きたいと思います。皆様のご支援をよろしくお願いします。
 
アフガニスタン・イスラム共和国駐箚特命全権大使
岡田 隆