
岡田公使の権限移譲式典への参加 平成23年7月17日
7月17日、アフガニスタンの権限移譲プロセスがバーミヤン県を皮切りに開始されました。権限移譲(Transition)プロセスとは、現在、NATO/ISAFが主たる役割を果たしている治安維持についての責任を2014年末までにアフガン政府側に徐々に移譲していくプロセスです。今回の第一段階の権限移譲は、カブール県のスロビ郡を除く全地域、パンジシール県全域、バーミヤン県全域、ヘラート県ヘラート市、へルマンド県ラシュカルガー市、バルフ県マザリ・シャリフ市、ラグマン県モフタラーム市の7地域です。
7月17日、アフガニスタン中部に位置するバーミヤン県で開催された最初の権限移譲式典に、岡田公使が、我が国を代表して参加しました。式典では、バーミヤンのハビバ県知事、アシュラフ・ガーニ大統領顧問、関係各省庁大臣及び各国大使館の大使が列席し、権限移譲を歓迎するスピーチを行いました。
2001年の9月11日の米国における同時多発テロ事件以降、我が国を含む国際社会は、アフガニスタンが二度とテロリストの温床となることなく、秩序ある安定的な国になるよう様々な支援を実施してきました。特に治安面においてはNATO/ISAFの軍隊が、アフガニスタン全土に派遣され、アフガニスタンの治安機能を守ってきました。
あれから約10年。国際社会からの多大な支援もあり、ようやくアフガニスタンは自らの国軍・国家警察によって、自らの国を守る能力と責任を与えられ治安を守っていくことになる歴史的な日を迎えました。これが権限移譲プロセスのはじまりです。2014年末にはNATO/ISAFの軍隊による権限移譲プロセスが最終的に終了する見込みとなっています。
権限移譲プロセスを成功させるためには、アフガニスタンの軍・警察の機能強化はもちろんのこと、地方政府が本来果たすべき行政機能をそなえ、住民に保健・教育・雇用といった社会サービスを提供し、国民が安心して暮らせる国造りが不可欠です。我が国としても、権限移譲プロセスが成功裡に行われ、アフガニスタンが再びテロリストの温床となることになることのないよう、様々な支援を行って行く予定です。
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